登山道で「獣道」に迷いこまないために注意すべきこと

登山をしている際に注意しなければいけないことの一つに、獣道に迷い込まないようにする、ということが挙げられます。正しいルートを歩いていたつもりが、いつの間にか迷い込んでいるということが多いので、非常に危険です。

慣れた山でも危険な、獣道に迷い込まないための知識と、登山道を歩くときの注意点についてまとめています。

まずは獣道と登山道の見分け方から見ていきましょう。

獣道の特徴と登山道との見分けかた

一見すると登山道のようにもみえる、微妙で一旦迷い込むと分かりにくいのが獣道

一つの判断目安として、人が足を踏み入れるには歩けるけど狭くて、小さな草が生えているかどうかで疑うようにします。

獣道その1

このように一見人が通れそうですが、登山靴で踏みならされたにしては道がくっきりしない場合は獣道を疑います。

獣道その2

これくらいの獣道だと分かりやすいですね。道らしきものはあるものの、草が多い茂っており人が通った形跡に乏しい道は注意が必要です。

少しでも怪しい、何か変だ・・・と思ったらすぐに引き返して、開けた場所に出たらルートと現在位置を確認する癖を付けましょう。

標識をあてにしない

登山道では道を外れないように、赤や黄色のテープマーカーや、要所要所に標識が置かれていたりします。

登山の途中に獣道に入ってしまう人の特徴として、登山が出来る場所なのだから、きちんと標識くらいあるだろうという慢心があります。

しかし、登山が出来る山だとしても、必ずしも標識の目印があるとは限らないのに注意。標識自体が朽ちかけていたり、雨風に曝されることによってテープや目印が消えてしまっている場合もあるのです。

中には標識と思っていたものが、林業に携わる人の目印として違う意味を持つものである場合もあります。(あくまで稀なケースです)

標識を信じる余り、獣道に入ってしまう人が後を絶たないのも事実。標識に注意を傾けるのも良いですが、周りの風景もきちんと観察するようにしましょう。

GPSとコンパスと地図で確認しながら進む

少し経験があるからと言って、登山をするのに、コンパスや地図を持って登らないのは危険です。

何度も登った山だとしても、必ず以上の計器は持ち歩くようにしましょう。いくら注意していても、季節によって景色が変わる場合もあり、ガスにより道が見えにくくなっていることもあります。

最近ではGPS端末が安価で手に入るようになり、開けた場所などでは現在位置を確認するのが容易になりました。

少しでも違和感を感じたら立ち止まり、すぐに地図と照らし合わせながら、GPSやコンパスで自分が立っている場所を確認するようにしましょう。立ち止まることで、より深く獣道に迷い込むのを防ぐことが出来ます。

正規の道を絶対に逸れない

壮大な自然風景を眺めたり、珍しい動植物と出会えるのは、大きな登山の魅力です。しかし、それらに気を取られて少し横道に逸れ、獣道に入ってしまう人がいるのです。

珍しい動植物を目の当たりにし、どうしても間近で写真が撮りたい、肉眼で確認してみたいという気持ちは分かるのですが、ふと夢中になるあまり、方向感覚を見失いやすいのが山の特徴。

あれ?と思ったときに道らしきものを見つけて歩きだしたら、変な場所に出てしまったというのは、怪談話でもなく実際に起こる道迷いです。

マイナールートは慣れないうちは注意

有名な山ともなると、ルートがいくつも存在します。中にはマイナールートと呼ばれ、あまり使われない人が通らないルートもあります。

たまには違うルートで登山を楽しみたいと思う人もいると思いますが、慣れないうちはマイナールートは危険。以前私もマイナールートを使って遭難をした経験があるのですが、人が入っていないと落ち葉も積もり放題で草も生え散らかし、ルートを見失いやすい場合もあるのです。

地図がしっかり読み取れ、余裕を持った登山ができるようになってから挑戦してみましょう。もちろん慣れた山でも過信は禁物です。

まとめ

登山の魅力は、美しい自然や動植物を出会えること、そして頂上に立った時の達成感と清々しさでしょう。

しかし、それらのことを精いっぱい楽しもうとする余り、正規の道を逸れて獣道に入り込んでしまう人が少なくないのです。ちょっとだけという慢心が命取りになります。

迷わないための事前準備や、基本の装備も大切であり、山の標識をあてにし過ぎるのもよくありません。安全に登山を楽しむためには、自分自身の精神に注意喚起をしながら、登る必要があります。