登山するときの呼吸って考えたことありますか?
無意識にしている呼吸ですが、呼吸法を少し気をつかうだけでも疲労や高山病の予防になります。
無意識にしている呼吸でも、息の吸い方・吐き方によって肺にとりこまれる酸素の量は大きく変わってくるんです。
空気の薄い高山で、かつ荷物を背負って体に負担をかけながら非常に長い時間を行動し続けるというのは登山にしかない特殊な運動でもあります。
登っている最中の呼吸法や行動に気を付けるだけで、疲労や負担を減らすことができます。
ここでは登山をする際に気を付けてほしい呼吸法を紹介しますのですぐに息が上がってしまったり、高山病になりやすい人は参考にしてみてください。
高山病を防ぐ呼吸は息づかいで変わる
普段無意識にしている呼吸でも、山を登って苦しい時には大きく息をするために意識して呼吸をすることがあります。
多くの人は、走ったりして息が苦しくなると口をあいて「ハーハー」と言いますね。吐くときにハーッと言って吐くのは登山においては間違いです。
息を吐くときは、「ハー」ではなくて「フッ」
ハーと息を吐くときは、長い時間息を吐くことで次に大きく息を吸えるような気がしますが、これは休憩中に行ってください。
登っている最中に効果的なのは、「フッ」と力強く息を吐くことです。口先を尖らせ、ろうそくを吹き消すような口で息を吐きます。
ハッと言うよりも、フッという方が瞬間的にお腹に力を入れやすいのです。
試しに、ハーハーと口をあいて呼吸を10回フッーフッーと呼吸を10回してみましょう。どちらが楽にできるでしょうか?
やってみましたか?一見効率が悪そうですが、登りながら呼吸をするときはフッと一気にお腹に力を入れて肺の空気を吐きだしたほうが、次の呼吸での空気充填効率がよいのです。
どうしても疲れてばててくると、口元も緩みハーハー言ってしまいがちですが、こういう時こそ口を尖らせてフーフー言ってみましょう。
また、ハーハー言う時には、息を吸うときも吐くときも口で呼吸していることになりますね。口呼吸ばかりでは、のどを乾燥させて傷めますし風邪をひきやすくなります。鼻呼吸できるよう、普段の生活から意識してみましょう。
酸素が効率よくとりこめるということは、筋肉の疲れも軽減し、高山病にもなりにくい状態になります。ぜひ意識してみましょう。
登山は歌い、しゃべりながら登ると高山病にならない!?
わたしは一人で登るときには、歌を口ずさみます。
よく歌うのは「ゆず」「bump of chicken」「長渕剛」など
1人でぼそぼそつぶやきながら登るのは、人から見れば変かもしれませんが、歌うということは呼吸と密接に結び付いた効果的な呼吸法なんです。
歌うときには、普段の呼吸よりも多くの息を吸いこみます。これは声を出すものであれば共通しますが、無意識に多くの息を吸っています。これは、山登りの最中であっても同じです。息を無意識に深く吸い込もうとしますので、歌いながら登るというのは不思議と苦しくならないんです。
※もちろん叫んだりするようなへヴィなものは駄目ですよ
パートナーがいるなら、おしゃべりしましょう。ネタが尽きたら「しりとり」しましょう。それも終わったら、上司の愚痴でもつぶやきあいましょう。
しゃべりながらでは逆に呼吸が苦しくなってしまうのではないか?と考える人も多いと思いますがそれは間違いです。しゃべるということも歌と同じです。歌ほど気をつかわないですみますし無意識に息を深く吸い込み、血中酸素濃度を高い状態で維持してくれます。
この血中酸素濃度こそ高山病の原因であるので、頭がすぐに痛くなる人は高地に入ったらできるだけおしゃべりしましょう。楽しく上ることはそれだけでも疲労軽減につながります!
それでも苦しくなったら、有圧呼吸法で深呼吸
有圧呼吸法とは大きく息を吸い込み2秒ほど呼吸を止めるとともに、お腹に力を入れながら胸に圧力をかけるようにゆっくり口から吸い込んだ空気を出す呼吸法。
これを5ー6回繰 り返すと、血中の酸素濃度が上がり、楽になります。
参考資料 富士登山のノウハウより
少し意識するだけで、何も使わずにできる疲労軽減と高山病予防。毎回苦しくなってしまうという人は、自分が苦しい時どうしているか、振り返ってみましょう。