なぜ登山は朝早く登って早く目的地に着く必要があるのか?

山登りってどうして朝暗いうちから出発するの??

登山では基本的に早立ち・早着きといって朝早くに出発して、お昼には目的地に着くというのが基本です。

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初めて登山する人にとってはなかなか馴染めないとおもうのですが、これも理由があってしていることなのです。

なぜ早く行動しなければならないのかを解説していきます。

山で最も恐ろしい「雷」

登山で最も脅威となるのは何だと思いますか?

クマ・スズメバチなどの動物の脅威?落石・滑落などの災害?急な天気の変化?どれも正解ですが、洒落にならないのが「落雷」です。

落雷は稜線などに出た場合は避けるものがありませんし、高所での落雷は横に稲妻が走ります!一度富士山で死にかけた話をしますが、雲にまみれて登山中に豪雨とともに雷鳴が鳴りました。と同時に指先がびりっとしたんです。こんな話有るわけないと思っていた私はビビッて一目散に小屋目掛けて走りました。富士山はルートによっては隠れる場所も無いですから。小屋について一安心した私が見たのは、眼下の雲で光り続ける雷の渦でした。

雷というのは出やすい時間があります。山での雷は正午から夕方にかけてが最も出やすく、天気そのものも急変しやすいです。朝一番というのは比較的天気は安定しているので、天気の崩れない朝のうちに登ってしまうというのが理由の一つですね。

雷が鳴り出したら・・・

雷が鳴り出したら、まずは稜線や山頂からは一刻も早く退避します。稜線など逃げれない場所にいるときは、ハイマツの樹林など少しでも身を隠せる場所を探します。
以下の場所は要注意ポイント

  • 大きな木の下
  • 尖った岩の下
  • 川など湿気が多い場所

雷が近いと、身につけた金属が帯電してびりっと来ることがあります。要注意はトレッキングポールなどステッキの類。素材であるアルミやカーボンは電気を通しやすい代表素材。帯電してポール越しにびりっとくることもあるので、持っている場合は放し、離れた位置で雷をやり過ごしましょう。

過去のデータで落雷事故があった場所は雷が落ちやすい・発生しやすい場所であるので、危険とされている山域では天候の変化に注意して登りましょう。

上昇する気温で体力を奪われる・・・

登山では行動中にたくさん汗をかきます。限られた水分と食料で登らなければいけないスポーツなので、周りの気温による体力低下は深刻なダメージとなります。

1000メートル級の山では樹林帯を進むことが多く、日が昇って暑くなるとものすごく辛いです。3000メートル級のアルプスが登りやすいと感じるのは、熱で汗をかかないからというのもありますね。

ですから最も暑くなる正午過ぎまでには目的地に到着し、太陽熱で体力を奪われるのを防ぐというのが早出の理由の一つです。

まれに暑い中をヒィヒィ言って登ってくる人がいますが、無謀なので登山のセオリーは守って登るように心がけましょう。