新穂高温泉から日帰りで槍ヶ岳を目指すハードコース!

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その気になれば日帰りで槍ヶ岳を登ることもできるルートの考察です。

社会人になってすぐの、まだ体力が有り余っている頃日帰りで槍に行けないかということを考えました。

今思うとなかなか無茶なこと考えたものだ・・・いや、ベテランからしたらまだまだ生ぬるい?そんなヘタレ登山家の槍ヶ岳日帰り登山の記録です。

槍ヶ岳への登山道へいくまで

今回は単独登山ということもあり、移動手段は自家用車。

ある程度時間的にも余裕を持って融通を利かせた登山をしたかったからです。

車で行くことを考えると、ルートは一つ!新穂高温泉より、一気に槍を目指すという挑戦をしてみました。

槍ヶ岳は山頂までの距離がかなりあるため、日帰りで登山するのは極めて難しい山です

難しいと言うことは、可能性はあるということで実践した記録を残しておきます。

まずは交通アクセスと駐車場

新穂高温泉までは大丈夫だと思いますが、新穂高温泉下の駐車場に行くまでに難ありです

登山者向けの駐車場が、新穂高温泉手前にありますが非常に分かりずらい。

バス停とトンネルの上に取り付けられたミラーが目印。

sinhodaka

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新穂高手前に2つあるトンネルの、2つ目に入ってすぐ!深山荘の看板があるところを左に下りていきます。

結構な数停められるスペースがありますが、一杯のときはロープウェイの駐車場を使います(有料ですがルートからは近い)

槍ヶ岳への登山口そのものは、ロープウェイの駐車場のすぐ隣の林道を進むことになるので、楽したいならロープウェイ駐車場に停めてもいいです。

登山開始!槍平小屋まで右俣林道を進んでいく

槍ヶ岳3

地形図は国土地理院ウォッちず参照

実はこの日、朝から雨が降っていました。しかも小雨とはいえないレベル・・・

そんな中、記録だけはとろうと時間だけ管理し、朝5時30出発です。

林道はどこもかしこも同じような感じで、登山者にとっては歩きにくい場所でもあるのですがこの右俣林道は途中に川などもあるので注意が必要です。

何度か木でこしらえた橋が崩落し、ルートが変更されていたり、ルートそのものが崩落しているということもありましたので迷わないよう注意です。

槍平小屋まで行ければ、ようやく普通の登山道になります。

槍平から千丈分岐まで

槍ヶ岳2

第一関門の槍平小屋までたどり着いたところで、絶望的事態に。雨の勢いがゲリラ豪雨並みで、選択を迫られる勢いです。

30分ほど小屋で休み、落ち着いてきたこともあって決行することにしました。

ここからはぬかるんだ樹林帯の登山道になるので、靴紐を締めなおしてしっかりと地に足つけて進みます。

途中に避難小屋と、藤木レリーフと言うおじさんの顔が彫られたレリーフがあるところがあります。

ここは橋になっているのでしばし休息。

このあたりの沢は増水で川になることがあるらしく、私の師匠は雨が降るといつも警戒していました。

増水したところを一度もみたことはありませんが、恐らく過去に恐ろしい経験をしていたのでしょう。

一気に体力を奪われる急登と熱気

このレリーフを越えてくるあたりから、道が一気に険しくなります!

おまけに天気がよくなったのは良いんですが、ムッとするサウナのような蒸し暑さと道のぬかるみが合わさって体力を一気に奪われ、ペースがガクッと落ちます。

特に足にかかる負担は相当なもので、正直トレーニングを怠っていた私は太ももが悲鳴をあげ始めました。

足の痛みだけは気合ではどうにもならないくらい痺れてきたので、休み休み慎重に登っているうちに正午のブザーが・・・

これは相当やばいなと思いつつ歩いていくと、ようやく道が開けて、千丈分岐に到着します。

ここには救急箱が置いてあるので、中に救急用品とテープなどが入っています。緊急時自由に使えますが、使った場合は槍平小屋に一報いれましょう。

槍ヶ岳まで目前!ジグザグ道を進む

槍ヶ岳

救急箱のあった分岐からは、いよいよ槍ヶ岳へ向けて登りが続きます!

ここまでくれば視界はかなり開けますし、風も通って清々しくなるので気力が戻ります。

森林限界を抜け、岩ごつごつの山肌になってきたら目的地はもうすぐです。

ここは富士山の登山道とよく似ており、ごろごろした石ころの道を進みますので転倒には注意します。

肝心の槍ヶ岳は、飛騨乗越しに差し掛かるあたりまでは見えません。

その分突然出現する勇姿に感動間違いなしですし、槍の穂先が見えればもうあと少しです。

槍ヶ岳山頂に到着!長かった

実質朝の5時半に出発し、槍ヶ岳山荘に着いたのは14時10分ごろ。

幸いにも天気は快晴で苦労は吹き飛びました。

しばしの休息後、すぐさまアタックを開始!すでに人も少なくなっていた山頂目指してもくもくと進みます。

山頂到着14時35分

孤独な闘いが報われた瞬間です。この時ばかりはいつ来ても時間の止まる瞬間です。

mtyari

心を鬼にして一気に槍下山開始!

普段ならゆっくりしたいところですが、今回は心を鬼にしてお参りを済ませたら即撤収!

小屋で水分補給をした後に、15:00下山開始です。

途中オッチャンに、泊めてやるからやめときなと言われるも、笑顔で見送りテント場へ向けて走りました。

下山開始です。

下山は驚くほど順調。少しハイになってたかも

怒涛のスピードで山を駆け下ります。

走るまではいかなくても、お前は自衛隊員か?と言われるようなスピードだったと思います。

千丈分岐まで約1時間で降りましたが・・・・なんとまだ登ってくる登山者を見つけてしまいました。

2人組みの若い男性で、このルートは初めてとの事。相当バテテへなへなになっています。

私もそうですが、確実にすぐ暗くなることは目に見えていたので、少々のアドバイスの後その場を後にしました。18時ごろには何とか小屋につけたかな?という感じでした。

さて、私もここからが大変。樹林帯に入るのと、ところどころ水で湿っていたので慎重にならざるを得ません。

藤木レリーフを横目に見る頃には、かなり薄暗くなりもはや危険な状況でした。

ここからは大きな高低差がなくなるので、一気に距離を稼ぎます。自分でも考えられないような集中力で岩を木を飛び越えて走っていました。

山の夜は落ちるのが本当に早い・・

槍平小屋が見えたのが、19時20分。あたりは闇夜です。

たまたま小屋の外で休憩していたお兄さんが、幽霊かと思ったとびっくりして大騒ぎしてましたが・・・

ジュースを1本奢ってくれてここからは林道なので大丈夫だろうと送られました。

これで一気に気が抜けてしまい、林道はペースダウン。のんびりと進みますが闇夜が背中を押します。

絶対に自分以外誰も居ないという状況なので、恐怖もあってか大声で長渕歌いながら新穂高まで歩きました。

日帰り槍ヶ岳登山の大反省

結局新穂高温泉に着いたのは、20時33分

日帰りと言えば日帰りですが、無謀すぎるお粗末な結果となってしまいました。

仮に朝早く4時とかに出発していればどうだったか?とも考えましたが、どちらにせよ闇夜を歩く時間は変わらないことがわかります。

もう少し登りをスムーズにこなせる脚力がある人なら難なくクリアできていたかもしれません。

15時間の行程は、考えようによっては早いかもしれませんが、槍ヶ岳日帰り登山は相当にきついということだけ理解いただければと思います。

駄文に付き合っていただきありがとうございました。他のルート実況では、もう少しためになる解説をしたいと思います。